絵師勢には、字書きってこんな感じで物語つくってます、みたいな紹介半分で。
字書き勢には、たまにはこういう創作論を語ってみるのもいいよね、という起爆剤的な感じで。
まだ見ぬ字書き初心者の新入生には(いれば)、まぁ一つの方向紹介として。
とりあえずは「物語」を作る方法――の下準備を紹介します。
物語を作ろうとすると必ず出会う「起承転結」――それを使って物語を作るための準備にあたる部分ですね。
長くなるので分割しますが、いずれ初級編「起承転結の使い方」中級編「テーマ、メッセージを絡める方法」を勝手に出没して書く……と思います。
なお、キャラ創りにはあまり深く立ち入らないので。ストーリー立てメインです。
そして、これはあくまで奇山流です。美崎とかは別なやり方だろうし、自分にあったやり方を見つけるのが大事です。そして何より、所詮は奇山程度の字書きのやり方です。こっちも「参考になれば幸い」程度の適当な気持ちで書いてるのであしからず。
では、はじめます。
1,まず最初に、ストーリーのゴールを決めます。
簡単に言うと、「何々したらこの物語は完結」ということです。あるいは、「誰が、何を、どうする物語」であるかを決めます。
具体的に言うと、「主人公が、魔王を、倒す物語」とか「主人公が、ヒロインと、恋人になる物語」とか、あるいは、「探偵が、事件を、解決する物語」とか。
まぁ、これはそこまで苦労しないでしょう。
2,次に、ストーリーのスタート地点を決めます。
ゴールに対して、では主人公および周りの状況は最初はどうなっているのかということです。
具体的に言うと、「主人公は、剣術の才能があるけど平凡な村の青年。世界は魔王により半分が支配されている」だとか、「主人公は彼女いない暦イコール年齢のオタク少年で、ヒロインは学年一の美少女、しかもオタク嫌い」だとか「孤島の館に招待された変人探偵とその助手。集まった客人はみな一癖ある変人ばかり」とか。
3,そして、主人公の動機を決めます。
2の状態から、何故主人公は3の状態を目指そうと思ったのか、ということです。これを忘れずにちゃんと決めるかどうかで、意外と物語のできが変わります。
具体的には、「世界平和、優しい世界のため」とか「ヒロインに惚れ、恋人になりたいと思ったから」とか「わからないことがあるのが我慢ならない性分だから」などありますかね。他にも、「殺された妹の復讐」とか「不治の病を患った妹を助けるため」とか「攫われた妹を取り戻しに行くため」などなど、いくらでも考えられます。
深くは考察しませんが、主人公のキャラ立てにも関わる項目ですね。あと、最近は「個人的な」動機を持つ主人公の方がウケが良いような気もします。
4,物語のくびれを作ります。
物語のターニングポイントにあたる部分です。簡単に言うと、2の初期状態から順調に1のゴールへと進んでいた主人公が、その歩みを止めざるを得なくなるような状況、人、もの、事件などのことです。
具体的には、「魔王の配下を倒し、支配から町を取り戻していた主人公だが、ついに現れた魔王に敗北してしまう」とか「オタクであることを隠し、いろいろありつつもなんだかんだヒロインと仲良くなりつつあった主人公だが、ヒロインにオタクだとばれてしまう」とか「動機などの面から犯人らしき人物は絞れたが、彼には鉄壁のアリバイがあり、かつ密室の謎もまだ解けていない」とか、こんな感じですかね。
一つ注意すべきなのは、決してこれは「ラストバトル」とは限らないということですね。どちらかと言えば、物語が終盤に差し掛かるためのきっかけと言えるかもしれません。
はい。
この四つを決めることができれば、下準備としては概ね完了だと思います。
需要があるのかは知りませんが、続きはまたいずれ。
Edit
04:38 |
Trackback : 0 | Comment : 4 | Top