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 京大公認創作サークル「名称未定」の公式ブログです。
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「セリフ、難しい」

 こんにちは。十二月中旬担当の谷川慶です。
 突然ですが、自分はセリフを書くのが好きだなという自覚がありまして、地の文なんて一刻も早く切り上げてセリフが書きてえ! と思うこともしばしばあります。感情を表現するときに、できることなら、十の地の文より三のセリフで表現したい、なるべくリアルで感情の乗ったセリフが書きたいと思うタイプです。厄介です。そんなことにこだわってるから筆が進まないんだよまったく。
 もちろん、現実に近いリアルなセリフがその小説にとって常に良いとは限りませんし、話を進められればそれで良いという向きもあると思います。が、不自然なセリフよりは自然なセリフの方が良いはず――という精神で、自分がセリフについておぼろげに考えていること(や誰かの受け売り)を書いてみようと思います。

①噛み合わない
 人間、意外と相手の言ったことにまっすぐ返答することって少ない気がします。しょうもない話に逸れたり、一歩先を読んだ返しをしたり……。例えば「こんにちは」と挨拶されたとき。普通の人物、キャラなら「こんにちは」と返すでしょうが、それ以外の返答にしてやることでその人物の性格や感情が分かりやすく表せます。「あ……ども」「こん……あ、髪、切った?」「もう夕方だぞ、早く準備しろ」「ね、俺いつも思ってんだけど、『こんにちは』って並べ替えたら『ニコチンは』になんだよね」とか。ストーリーを進めるうえで必要なセリフだけ言うのでもいいのですが、一見関係ないと思っていたセリフが終盤で再登場したりしちゃう展開が私は好きなので――無駄話バンザイ。

②一貫性のある話し方をする
 話し方というのは人物ごとにみな違い、そして身についた話し方はなかなか変わらないものです。作品の中で、このキャラはこういう喋り方、という一貫性を作っておくのも当たり前ですが大切だと思ってます。というのも、その人にとって〈普通のセリフ〉があれば〈特別なセリフ〉も生み出せるからです。普段大人しい話し方をする人が荒い言葉を使えば、本当に心から怒っている、あるいは逆に冗談を飛ばしている、などの心情が伝わりやすくなります。ずっと敬語だった友人が、ふとタメを使えば、心を開いて仲良くなったことが印象的に伝わります。俗っぽく言えば、ツンツンツンツンデレみたいな感じです。徹底してツンツンした後のデレからしか得られない栄養があるのです。そのツンツン部分に妥協せず、一貫性を持たせることで、話の山場のデレの威力が上がるのです(何の話?)。

③既存の言葉を改造する
 人間、案外適当な言葉で話してますから、すでにある言葉、成句、ことわざなどを魔改造しちゃうこともあります。雑な例ですが「可及的なるはやで」「(朝飯前じゃなくて)昼飯前だぜ!」「おーい……もうそこの猫でいいや、手ぇ貸してくれ……」とか。

④口に出して違和感がないようにする
 これに関しては正直好みというか、口語に近ければ良いというものでもないので場合は選びますが、実際に人物が発する言葉なんだから現実で言っても違和感がない方がいいだろうとは思います。小説的な面白さを全否定している自覚、これあります。自分は小説を書いているときでも割と場面を画でイメージする方なので、現実世界でありえる話し方をなるべく再現したい派として、実際に声に出してみたりしてセリフを書き変えたりしています。しかし当然、表現としてあえて固い口調を選択したり、ストーリーのテンポを上げるために不要な部分をカットしたりしている場合もありますし、本当に現実の会話を再現したら、「あっ……」とか「えっと、その……」ばかりになってしまいますから、ま、ほどほどにってことです。

 と、ここまでどうちゃらこうちゃらと書き連ねてみましたが、こんなのは所詮小手先のこねくり回し、結局は書きたいように書くのが一番だと思います。ただ、せっかく何か喋らせるならこだわったほうが楽しいかなーと、そんな感じで僕はセリフと格闘してます。ところで、創作での会話術の前に、現実世界での会話術を誰か私に教えてください。それでは。


「――ま、てな感じかな。どう思います? これ、この文章」
「んーそうね。なんて言えばいいんだろ。これブログのやつだよね? だよね。まあ一言で言うと……ちょっと分かりづらいかな」
「えぇー! まじですかぁ」
「なんかね……話が脇に逸れすぎだし、中身も浅い。自分で自分にツッコミいれてるのも読んでてイタイ。あと、偉そうにう――」
「あーはいストップ! オーバーキルです無理っす僕もうライフゼロです。分かりましたありがとざんしたぁ!」
「急に大声出さないでよこんなところで。せっかく今からお褒めの言葉も贈呈しようと思ってたのに」
「え、贈呈ナッシングですか。お褒め欲しいですお褒め。ほら、僕もおだてりゃ何とやら」
「どうしよっかなあ……あははっ、まあ私はこの文章けっこう好きだぜ、ってこと」
「何すか急に、だぜって」
「はいとにかく。早く修正してさ、間に合うよう――あ」
「あ……。投稿、しちゃいました」

Edit 12:43 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

 

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