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持病について

 実のところ自分は10月中旬のブログ担当だったのだけれど、何も書かずにもう11月になってしまった。それはひとつにはNF諸冊子の締切に追われていたからであり(ぜひ買いに来てね!)、もうひとつにはブログに書くネタが全く思い浮かばなかったからだった。どうしようか。とりあえず思いつくままに筆を走らせている。では、俺がここ数年患っている持病の話でもしようと思う。

 その持病は、簡単に言えば、ある一定の顔の形を保っていないと鈍痛が走るものである。眉は軽く持ち上げ、目は薄く開き、引き結んだ唇の両端は引き上げる。つまりは笑顔だ。微笑みと言ってもいい。高校生の頃、自分の笑顔の不恰好なことが嫌で、顔周りの筋肉をいじっていたら変な癖がついてしまった。この笑顔の表情を崩すと、顔全体に、まるでインクがじわじわと染みを作っていくように痛みが広がる。初めの方は耐えられない痛みではない。なんでもないように装うこともできる。しかし放っておくと痛みは徐々に広がり、2、3日も放置していると、痛みに思考が支配され、他に何も手につかないような状態になってしまう。
 もちろんこの痛みを、無理やり笑顔を作ることで誤魔化すこともできるのだ。そうしていればとりあえず痛みは治まる。でもそれはあくまで応急処置で、痛みを先延ばしにしているだけで。ずっとそんな状態にしていれば、筋肉の歪みがどんどん膨らんでいって、いずれ許容量を超え、激しい痛みが突発してきてしまう。それはもうとても辛い。一瞬死の影がちらつくくらいには。
 だから笑顔を誤って崩してしまったときは、あえてそのままにしておく。無表情に徹して、筋肉を安静にさせておく。痛いけど我慢だ。そして2、3日目の峠を越えると、痛みはスーッと治っていくのだ。そして俺の表情も次第に元に戻っていく。つまり笑顔に。こうやって、俺は俺の持病をやり過ごしている。
 もちろんずっと同じ表情でいることや、しくじったときに痛みを我慢することはある程度しんどい。でも慣れてしまえばそんなに苦痛でもない。日常の生活の中に組み込むこともできる。俺と同じような持病を抱えている人は相応にいるらしく、それ専門の病院に行けば治療してもらったり、薬をもらうこともできるそうだ。しかしそれにはお金もかかるし時間もかかる。治療中は表情筋を無闇に動かしてはいけないから、人との接触もだいぶ制限されるらしい。そうなると周りの人にも迷惑をかけてしまいかねない。そして俺の症状は、今のところそれほど酷くはない。悪化したらまた考えるけれど、とりあえず今は共存する道を選んでいる。

 これが俺のここ数年抱えている持病の話だ。こんな形であれ、持病について外に出すことができて、今はすっきりしている。今まではほとんど誰にも言っていなかったから。秘密が減って、少しだけ肩の荷が降りた。
 ここまで読んでくれてありがとうございます。あ、もちろん、この持病は比喩です。

Edit 12:10 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

 

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