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奇山流、物語の作り方 中級編


また俺です。
連投です。

というわけで中級編、「テーマ、メッセージ」です。

物語が書けた!起承転結もある!…なのに、読み終わってもすぐに忘れられてしまう。記憶に残らない。
書きたいことがある!だけど、それを書くためにはどんなストーリーにすればいいのか分からない。

そんな感じの方に。

ただし、いよいよ作家の個性が出る部分です。何度もいいますがあくまで俺のやり方なので。


さて。

まずは「テーマ」と「メッセージ」の違いですね。
とはいえ、これもおそらく作者ごとに定義が違うので、とりあえずはこの記事における扱いでですが。

言葉で定義するのはやや難しいので、まずは具体例を挙げます。

「戦争」は「テーマ」で「命の大切さ」は「メッセージ」です。
「アンドロイドと人間の恋」は「テーマ」で「心とは、お互いがお互いを想い合うことであるということ」は「メッセージ」です。
「魔王と勇者の戦い」は「テーマ」で「仲間の力」は「メッセージ」です。

まぁ要するに、「テーマ」はその小説に直接描かれること、「メッセージ」はその小説を通して読者に伝えたい作者の意見ということになります。

まず最初のステップは、この二つを決めること。改めて自分で言葉にしておくことです。
なんとなく頭にあるから大丈夫、はダメです。特に、「メッセージ」は。

さっきの具体例のように、ピシッと示してください。

何かストーリーを思いついて、感動の展開、愛のストーリーっぽいものを思いついて、書き始める。
よくあります。
ですが、頭にあったはずのそれが、書いてるうちにズレて、何か違うものが出来上がるということもまた、往々にしてよくあります。

書き始める前に、いったん自分で「メッセージ」部分を言葉に落とし込んでください。
「愛の大切さ」とかでも十分ですが、大事なのは、自分が納得すること。

はっきり言いますが、ここで、これから書く小説で伝えたい(表現したい)「メッセージ」がなんなのかを文字にして表せないのなら、その小説が書きあがったとしてもそれを伝えることはできません。

自分が自分に向けてその「メッセージ」を表現する言葉さえ見つからないうちから、他人へと発信しようなどというのは、無謀です。

どれだけ時間を掛けても良いので、今から書く小説は何を表現するための小説なのか、文字にしておいてください。


さて。

最初のステップを乗り越えたものとして、話を進めます。

決まったそのメッセージを、どう物語を通して表現していくかという話ですね。

下準備編で、「物語のくびれをつくる」と言いました。ここがポイントになります。

一言で言ってしまえば、「くびれ(壁)を乗り越えるときに、メッセージを見せろ」ということです。

いや、創作に多少なりとも経験のある人からすると、おそらく「何当たり前のこと言ってるんだコイツ」って感じでしょうが、この基本が大事なのです。

もう少し詳しく物語の構造として示すと、こうなります。

「メッセージ」を理解していない、わかっていない登場人物→超えられない壁→葛藤、そして「メッセージ」を悟る→壁を乗り越える→ハッピーエンド

まぁ、「装甲悪鬼村正」のような、「一人の人間の生き様を描いて、その信念を伝える」みたいな手法もあるにはあるのですが、超難しいので今回は触れません。

さて、上記の流れで重要なのは、「壁」と「わかってない登場人物」の設定です。

ということで、そろそろいつも通り具体例出していきます。

例えば、「魔王と勇者の戦い」という「テーマ」で「仲間の大切さ」を描くとします。

さっきの流れに沿って、「わかってない登場人物」と「壁」を考えます。

一つ目大事なのは、「壁」を、「わかってないと越えられないけど、それが分かれば越えられるように」設定することでしょう。

まぁ今回は普通に、「強い敵」とかでオーケーでしょう。
「一人では勝てない敵も、仲間が居れば大丈夫」みたいな。

では次、「わかってない登場人部」です。
この「登場人物」は往々にして主人公だったりヒロインだったりしますが、今回は仮に主人公としましょう。

つまりさっきの流れを言い換えると、

仲間の大切さを分かってない独り旅の勇者(主人公)が→強い敵(魔王とか)にぶつかって負けるけど→仲間の助けを得て→敵に打ち勝つ

という感じになりますか。

次は、この流れを見て、「説明しなければならないであろうこと」を考えます。
おおざっぱに言うと、「なぜ主人公は「メッセージ」をわかっていなかったのか」と「なぜそのタイミングで主人公は「メッセージ」を悟って解決への道を進むことができたのか」が主となるでしょう。

例えば
・なぜ主人公は仲間の大切さをわかっていなかったのか(普通、このような危険な旅をするなら一人より二人でしょう)
・なぜ仲間は助けに来てくれたのか(そんな主人公を助ける義理はあったのでしょうか)
ですかね。大きなところは。

それに対する解答を考えます。
これはストーリーの流れをつくることになるので、正解というものはありません。

俺なら例えば
・主人公は仲間の中でずば抜けて強く、弱い仲間たちをいつも庇わなければならなかった。だから、足手まといだった。
・仲間たちは自分が勇者の足を引っ張っているとわかっていたので、いつも彼に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。なので、勇者から離れた後も鍛錬を重ねており、勇者の窮地を救える存在になろうとしていた。
とかでしょうか。

この、「説明しなければならないこと」を、起承転結の「起」や「承」で見せておくのです。

例えば

起:旅を始める主人公たち。最初はずば抜けて強い主人公の力で快勝を重ねるが、次第に敵が強くなるに連れて弱い仲間たちが足手まといになり始める。それなりの間我慢していた主人公、辛い気持ちを感じながらもついに仲間に別れを宣言する。仲間たちも主人公の気持ちと自分たちの無力さを考え、無念の別れ。

承:独り旅となった主人公。戦闘は楽になり、旅も捗るが、次第に彼の顔からは笑顔が消え、そして戦い方も自身を省みないものとなっていく。一方、故郷に戻った仲間たちは、それぞれの生活に戻るも悔しさを拭えず、各々特訓の日々。

転:数年のときが流れ、魔王軍も残すところわずか。しかしそのとき、主人公の前に現れた魔王。ついに迎えた対決のときだが、主人公はあまりにもあっけなく倒されてしまう。主人公の命を奪わんとする魔王の前、主人公は諦めとともに項垂れるが――

結:「お前はもう独りじゃない」突然現れたかつての仲間たちにより助けられた主人公。長年の鍛錬により主人公に退けを取らない強さとなった仲間たちが、主人公の横に並ぶ。再びの苛烈な戦いだが、仲間たちの協力により主人公は魔王と渡り合い、そして勝利を手にしたのだった

とかでしょうか。



さて、今回はわりと具体例よりの説明になってしまった気もしますが、なんとなくお分かりいただけたでしょうか。

もっとも、テーマとかメッセージの見せ方は無限に近い方法があります。
作家の個性を作る大きな要素の一つでしょう。

その見せ方について悩むことをやめなければ、たくさんの作品を書く中で、おのずと確立されていくはずです。
あまり難しく考え過ぎず、まずは書くことですね。

ということで、今回はこのあたりで失礼します。

いずれ気が向いたら「上級編、面白いと言って貰うために」をお送りします。
それこそ俺が書くのはおこがましいほど大それたテーマですが。

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