創作論を書くと思った? 残念!
どうも、奇山です。テストまっただ中です。
普段は頼まれもしないのに創作論を繰り広げる俺ですが、それだけにみなさんもう聞き飽きてると思うので、今回は創作論は広げない方向でいきます。
まぁ、一言だけ言及しておくなら、作りたい作品は『綺麗事を謳う作品』ですね。
現実が厳しいなんてことは誰だって知っているので、創作はそれに燦然と立ち向かうべき、というのが俺の持論です。
で、何を書くかと言うと、好きな作品について考察したいと思います。
NFで高槻がグレンラガンについて熱く語っていた感じです。
俺が好きな作品は「交響詩篇エウレカセブン」です。
2005年ごろに放送していた、全50話のロボットアニメですね。
何が好きかと言うと、主人公が成長するのを見るのが好きなんです。
鼻水垂らして叫びまくってたガキくさい主人公が、最終回ではキリッと決めてるというのが良いんです。
もうまるで別人のようになってるのに、全然それを感じさせない。
全体のテーマは「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」という主人公の父親が遺した言葉が示しているのですが、この言葉の意味を主人公がちょっとずつ噛みしめて成長していくのを見せるのが、非常に上手い。
主人公(レントン)は最初、寂れた田舎町である自分の故郷を嫌悪し、反乱軍でありながら皆のヒーローであるゲッコーステイトに、エウレカという少女との出会いを通して加入することになります。
主人公の行動原理となる感情は、「憧れ」と「恋」です。
将来の閉ざされた田舎町から、自由の象徴である空賊へと入ったわけですね。
ここから、ゲッコーステイトの実態に失望したり、空賊として戦い追っ手を殺さなければならないという現実を突きつけられて苦悩するなど、様々な出来事を経るのですが、詳しいイベントを書くのは憚られるので、台詞を抜粋します。細部は異なるかもしれませんが、お許しを。
「自由とは与えられるものではない」
「よく見ておけレントン、これが自由を勝ち得たものの責任だ!」
「自分が惚れた女ぐらい――奪ってきやがれ」
「これが罪だというのなら、僕はそれを背負おう。それでも君に、会いにいかなきゃならないんだ!」
本当に手に入れたい物は、ねだっていてはいけない。他者を蹴散らしてでも、勝ち取らねばならない。そして、それに付随する責任から、目を背けてはいけない。
こうして、単なる自由への憧れと恋から旅立った少年は、それを手にすることの難しさ、責任の重さを学び、そしてそれでも欲しい物に手を伸ばす強さを得る――と、そういう成長の物語なのです。
と、俺は思ったわけです。
ただ、これは作品中に明示されているわけではなくて、俺がこのアニメを二周三周と見る中で感じ取ったものなので、あくまで俺の意見なのですが。
それを感じ取らせるための対比や細かな台詞の一致が非常に上手だと思うのです。
そしてなにより、そんな細かいことを考えずに見ても普通に熱血なロボットアニメとして面白いというのも大きい。
あくまでメッセージは副次的に裏に裏に示されていて、本編の楽しさをまったく阻害していない。
それが良い。非常に良い。
というわけで、興味を持った方、ぜひ見ましょう。なんならDVDをお貸しします。
なに、ほんの25時間程度です。すぐです。
はい、以上、結局なんか創作論っぽいことを言ってしまったような気もする奇山でした。
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