偉大なる汝の名において……
先日、こんな記事を読みました。
「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」そう詠んだ俵万智さんは流石ですね。
名前、というのは言わずもがなアイデンティティを規定する第一歩と言っても間違いではない、ある種のデバイスであります。人生において子供に名前を付けるのは、多い人でも数度。或いは無い人も最近は少なくないでしょう。
でも、モノ書きなら名付けのタイミングって大量にあるよなー、とか思うわけです。
あ、名乗り遅れましたが下らないことをつらつらと述べているのはよしけむです。
本日は名付けのセンスについて、以前八墓さんが書かれていたのとは全く違う話題で少々。
昨日に引き続きの連投ですが、お暇な方はお付き合いいただければ幸い。
「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」そう詠んだ俵万智さんは流石ですね。
名前、というのは言わずもがなアイデンティティを規定する第一歩と言っても間違いではない、ある種のデバイスであります。人生において子供に名前を付けるのは、多い人でも数度。或いは無い人も最近は少なくないでしょう。
でも、モノ書きなら名付けのタイミングって大量にあるよなー、とか思うわけです。
あ、名乗り遅れましたが下らないことをつらつらと述べているのはよしけむです。
本日は名付けのセンスについて、以前八墓さんが書かれていたのとは全く違う話題で少々。
昨日に引き続きの連投ですが、お暇な方はお付き合いいただければ幸い。
さて、以前の八墓さんの記事では「既に個人イメージが定着している名前」は付けたくないなぁというお話でした。
それは、確かに納得すると同時に、逆にそれを逆手に取るという手法もあると思うので頭ごなしに同意は出来ない感じです。例えば嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんと言う入間人間氏の小説には、菅原道真という名前の人物が出てきます。
当然、読者の頭の中に思い浮かぶのはアレです。北野の天神さんに祀られているあのお方です。……え? 太宰府? あ、ごめん、僕は京都に住んでいるものでつい北野天満宮が……。
まあ、そうやって何らかのイメージを読者に植え込んだ菅原道真君が物語でどういった役割を果たすのかは作品を読んでいただければいいのですが、このように「既にイメージの固まった」名前を使うのは、キャラクターの個性を引き立てるのにかなり有効です。○○・アインシュタインとくるとなんか科学の天才っぽいし、太宰なにがしとくれば性格がとても暗そうです。八墓さんの記事じゃないですが、××・シュワルツェネガーって名前の登場人物はまずマッチョだと思うわけです。I'll be back、とか言いますよね、多分。
さて、今日の話題はそれではないのです。
僕は名称未定では基本的にファンタジー小説を書いているのですが、その時に「名前をいかにして決めるか」というのはよく悩みます。
小説の登場人物の名前には何らかの「役割との相関」を持たせたいと思っていたりもします。主人公はともかく、後の脇役陣にはそれぞれ役割に合った名前を、という感じですね。事務の人にヘラクレスって名前をつけたりしない、という具合で。
さて、その時困るのが、「どうすれば違和感ない名前になるか」ということです。
語感であるとか音感であるとか、そういうった要素は否定しようが何しようが存在するわけで、例えば日本人であるならば嗣音羽(ツォネパ)ちゃんであるとか、美空(ビュアップル)ちゃんであるとか、そんな名前は無いっわけですよ。ここまで酷いのでなくても星絆(セツナ)くんとか、海優二(みゅうじ)くんとか、挙げていけば「変な名前」というのは世の中において枚挙にいとまがありません。
日本語には日本語の音感というものがあって、平凡と言われようがなんと言われようが「太郎」くんという名前には何とも言えない日本らしさがにじみ出ていて、日本語の名前としてこれ以上を求めることは難しいわけです。
で、そんな日本語の音感が崩れ去ろうとしている昨今なわけですが、日本に暮らしている我々ファンタジー系モノ書きとしては、外国語っぽい名前の響きを自然と演出するというのはかなり難易度の高いハードルとして立ちふさがる、様な気がしているのは僕だけですか?
日本語が世界においても割と特異性の高い言語である、というのは良く言われる話ですが、ヨーロッパ系のいかなる言語と比べても日本語の発音はやはり特殊だと思うわけです。
どの音にも母音があるだとか、抑揚が薄くてとにかく音の並びだけで意味まで定義してしまいがちだとか、変であることに間違いはないんです。そして、その変な言語で「自然」とされる名前の音感は、ワールドスタンダードから見ればきっと「変」なんです。
でもって、その「変」に慣れている我々が欧米風の名前を付けるとなれば、きっとそれは「変」なものになるんだろうなぁ、と思うわけです。
恐らく無難なのは既存の単語をそのまま利用して名前としてしまうことでして、僕自身それはよくやっていることです。現に今書いているMonochronikaの主人公はアリア、その兄はジグで、名字はムーシカ。どう見ても音楽絡みです、本当にありがとうございました。
そんな風に系統立てて単語をほじくり出して、違和感ない名前をと考えているわけです。
最近、TRPGで名前を考えている時にはよく鉱物の名前を借用しますね。タルク・スフェーンなんて名前も名字も鉱物名そのもの。アンネ・ストロライトであるとかマイア・パイロープであるとか、最近はとかく名字を考えるのが面倒な場合に鉱物の名前をそのまま借りてます。名前は自分の「無い」音感をフルに活用して気に入ったものをえらんでは、いるのですがね。
いやいや、名前を考えるのは楽しいのですが、やっぱり名前とイメージの合致というのは心に留め置きたい感じです。
例えばアリシアという名前は僕の中ではあまりがさつでない女の子のイメージです。トーマスとくればあんまり乱暴をする感じではない。マックスって、絶対に勢いのある子だと思うんですよね。そんな感じです。
そこを大切にして、自分で納得のいく名前を付けられたなら、きっとTRPGで演じるのも、小説の中で動かすのも、苦にはならないのだろうと思うわけです。
因みに、冒頭の話(=八墓さんの話)に出てくるような「特定の誰かを想起させる名前」っていうのは改名できる一つの根拠になるそうです。「木下藤吉郎」さんの改名というのはあったそうな。
現実世界の改名が簡単なこと、と言うつもりは勿論無いですが、小説の人物だって一度名付けてしまえば後は改名させるなんてことは殆ど無いわけで、名前選びにはやはり慎重を来したいですね。
それは、確かに納得すると同時に、逆にそれを逆手に取るという手法もあると思うので頭ごなしに同意は出来ない感じです。例えば嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんと言う入間人間氏の小説には、菅原道真という名前の人物が出てきます。
当然、読者の頭の中に思い浮かぶのはアレです。北野の天神さんに祀られているあのお方です。……え? 太宰府? あ、ごめん、僕は京都に住んでいるものでつい北野天満宮が……。
まあ、そうやって何らかのイメージを読者に植え込んだ菅原道真君が物語でどういった役割を果たすのかは作品を読んでいただければいいのですが、このように「既にイメージの固まった」名前を使うのは、キャラクターの個性を引き立てるのにかなり有効です。○○・アインシュタインとくるとなんか科学の天才っぽいし、太宰なにがしとくれば性格がとても暗そうです。八墓さんの記事じゃないですが、××・シュワルツェネガーって名前の登場人物はまずマッチョだと思うわけです。I'll be back、とか言いますよね、多分。
さて、今日の話題はそれではないのです。
僕は名称未定では基本的にファンタジー小説を書いているのですが、その時に「名前をいかにして決めるか」というのはよく悩みます。
小説の登場人物の名前には何らかの「役割との相関」を持たせたいと思っていたりもします。主人公はともかく、後の脇役陣にはそれぞれ役割に合った名前を、という感じですね。事務の人にヘラクレスって名前をつけたりしない、という具合で。
さて、その時困るのが、「どうすれば違和感ない名前になるか」ということです。
語感であるとか音感であるとか、そういうった要素は否定しようが何しようが存在するわけで、例えば日本人であるならば嗣音羽(ツォネパ)ちゃんであるとか、美空(ビュアップル)ちゃんであるとか、そんな名前は無いっわけですよ。ここまで酷いのでなくても星絆(セツナ)くんとか、海優二(みゅうじ)くんとか、挙げていけば「変な名前」というのは世の中において枚挙にいとまがありません。
日本語には日本語の音感というものがあって、平凡と言われようがなんと言われようが「太郎」くんという名前には何とも言えない日本らしさがにじみ出ていて、日本語の名前としてこれ以上を求めることは難しいわけです。
で、そんな日本語の音感が崩れ去ろうとしている昨今なわけですが、日本に暮らしている我々ファンタジー系モノ書きとしては、外国語っぽい名前の響きを自然と演出するというのはかなり難易度の高いハードルとして立ちふさがる、様な気がしているのは僕だけですか?
日本語が世界においても割と特異性の高い言語である、というのは良く言われる話ですが、ヨーロッパ系のいかなる言語と比べても日本語の発音はやはり特殊だと思うわけです。
どの音にも母音があるだとか、抑揚が薄くてとにかく音の並びだけで意味まで定義してしまいがちだとか、変であることに間違いはないんです。そして、その変な言語で「自然」とされる名前の音感は、ワールドスタンダードから見ればきっと「変」なんです。
でもって、その「変」に慣れている我々が欧米風の名前を付けるとなれば、きっとそれは「変」なものになるんだろうなぁ、と思うわけです。
恐らく無難なのは既存の単語をそのまま利用して名前としてしまうことでして、僕自身それはよくやっていることです。現に今書いているMonochronikaの主人公はアリア、その兄はジグで、名字はムーシカ。どう見ても音楽絡みです、本当にありがとうございました。
そんな風に系統立てて単語をほじくり出して、違和感ない名前をと考えているわけです。
最近、TRPGで名前を考えている時にはよく鉱物の名前を借用しますね。タルク・スフェーンなんて名前も名字も鉱物名そのもの。アンネ・ストロライトであるとかマイア・パイロープであるとか、最近はとかく名字を考えるのが面倒な場合に鉱物の名前をそのまま借りてます。名前は自分の「無い」音感をフルに活用して気に入ったものをえらんでは、いるのですがね。
いやいや、名前を考えるのは楽しいのですが、やっぱり名前とイメージの合致というのは心に留め置きたい感じです。
例えばアリシアという名前は僕の中ではあまりがさつでない女の子のイメージです。トーマスとくればあんまり乱暴をする感じではない。マックスって、絶対に勢いのある子だと思うんですよね。そんな感じです。
そこを大切にして、自分で納得のいく名前を付けられたなら、きっとTRPGで演じるのも、小説の中で動かすのも、苦にはならないのだろうと思うわけです。
因みに、冒頭の話(=八墓さんの話)に出てくるような「特定の誰かを想起させる名前」っていうのは改名できる一つの根拠になるそうです。「木下藤吉郎」さんの改名というのはあったそうな。
現実世界の改名が簡単なこと、と言うつもりは勿論無いですが、小説の人物だって一度名付けてしまえば後は改名させるなんてことは殆ど無いわけで、名前選びにはやはり慎重を来したいですね。
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