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敷居が凹んでいるのかもしれない

たまには話題リンクなんかもしてみましょうか。八村さんが美術というものについて書いていたので、僕も少々乗ってみます。
あ、例によってよしけむです。
以前もちょこっと書きましたが、この3月にヨーロッパに行ってきました。向こうは日本とは「根本的に」いろいろな物事に対する考え方が違いまして、それがよく現れているものの一つに美術品に対するスタンス、或いは美術館の態度、なんてものがあります。
というわけで、八村さんが後半少し書いていた「美術とか芸術とかって近寄りがたいよね」という貴女の常識にズバッと切り込むよしけむの11stエントリ。お暇な方はお付き合い下されば幸いです。
青空の下にサモトラケのニケ
いきなり何見せるんじゃい? という感じですかね。
さて、この写真にある像。皆さんも美術の授業で使った資料集なんかで見た覚えがあるのではないでしょうか?
僕自身の記憶を引っ張り出すと、高校では美術は受けてないので中学の美術ですね。資料集の中でナイキのロゴも引き合いに出されつつ、暗い背景にすっと立つこの像の格好良い写真が紹介されていた記憶があります。
いわゆるニケ。或いはサモトラケのニケと呼ばれるギリシャ文明の彫刻ですね。
但し、青空の下にある。
本物はパリのルーヴル美術館に保管されています。実はそちらも見てきました。薄暗いルーヴル美術館、中央入り口からほど近い大きな階段の踊り場の中央に堂々と立ち、カメラを構える観光客を堂々と見下ろすその威容ははっきり言って圧倒されました。
でもって、こんな青空の下がルーヴルなわけないので、勿論これはレプリカです。国は同じくフランス。パリからずーっと南へ行き、地中海もほど近いモンペリエという街の一角にこのニケは立っています
広場の中央に貿易センタービルを背に立ち、青空の下で日の光を燦々と浴びているその姿はルーヴルの本物に負けず劣らない迫力。しかも、こちらのは別にガードも何もされていないので手で触れることだって出来ちゃいます。
まあ……、なんていうか、この気楽さはすごいですよね。
世界でも超一級の美術品がレプリカとは言え街中に自然に置かれている状況。日本なら街中に奥にしたってなんかその界隈を特別なものにして、やっぱりこういう品物には容易に触れないようにするところでしょう。しかし、フランス人にとっては美術館を出たレプリカなど所詮一回のオブジェ。ニケとて街中の風景のいち構成員に過ぎないというわけです。
こんな素敵な距離感で一級の美術品を見られるというのは幸せなことだと思います。

この距離感の違いは美術館外に限ったことではありません。当然のように美術館内でも言えること、というのが驚きですね。
美術館、というと額縁に入った絵をガラス越しに見る、だとかショーケースの中に粛々と飾られた美術品を静まりかえった空間で息を呑みながら愛でるとか、そういうおカタい空気を想像しがちです。
暗い・カタい・肩が凝る。まさに3Kですね。
こういった空気が八村さんの言う「近寄りがたさ」を醸し出していて、それが多かれ少なかれ美術離れみたいな現象を引き起こしているというのなら、それはとても残念なことです。
向こうの美術館というのは、その気になったら美術品にさわれるような展示方法を採っているのですよね(おさわり禁止ですよ)。つまり絵の額縁にガラスなんてはまってない場合が多いし、立体品なんかもそのまんま飾ってある。ある程度以上は近寄れないように柵や紐がある場合もありますが、そんなものが無いと言うことも少なくない。
その最たる例としては、僕が行った中ではドイツのペルガモン博物館でしょうか。あそこのメインの展示は大祭壇だと思うのですが、その大祭壇に登れるし、階段に腰掛けることも出来ます。大祭壇の部屋は明るい灯りと人々の喧噪に満ちていて、とてもここが美術館(博物館)の中とは思えないくらいでした。
まあ、これはモノがモノだけに特別ということはあるんでしょうが、美術館の中が無音ということは向こうではあまり無かったように思えますし、多くの美術館が息の掛かる距離まで近づいて直接(間にガラスなどを挟まずに)見られる状態で展示されていたのは間違いなく事実です。
そうやってフェイストゥフェイスで見られる美術品について、その場で一緒に見ている人と意見を交換出来る、そういう空間が演出されているのです。
更に、多くの美術館はフラッシュさえ焚かなければ写真OKです。これも、何を見たのか想い出に残しやすく、またあとあとその美術品のことを思い出したり、また見たくなって再び足を運んだり、と日常生活の中に美術の要素が混じり込んでくるきっかけに繋がるでしょう。そもそも、モナリザとのツーショット写真なんかがあったら身近に感じられることは間違いないでしょうし(モナリザの前ってばもの凄い人だかりですからツーショットなんて無理でしょうが)
こんな風に美術館という空間が持つ属性そのものが違うヨーロッパでは、一般の人たちももっともっと美術を身近に感じられて、「良いモノ」に出会う機会も自然と増える、なんてことになるんでしょうかね。
そう言う環境が、ほんの少し羨ましかったりします。
何せ、美術の食わず嫌いをしてきた自信は売るほどにありますから。今回の旅は同行者が芸術関係の人ばかりでして、少し見方が変わったかなぁとは思っています。

まあ、美術館が如何に気楽に行けるところであっても超えてはいけない一線というモノがありまして、それが読めないとこうなるわけですな。
それでは今回はこの辺りで。

Edit 14:09 | Trackback : 0 | Comment : 1 | Top

 

Comment

 
 

2009.05.01 Fri 15:10ことは可愛いよことは

シンケンジャーが追いついたのでちょっとコメントです。

まぁ、仕方ないには仕方ないんですけどね; 日本は四季で寒暖の差大きい+基本暖かい+湿気やたら多いのトリプリパンチのカビパラダイスな癖に、絵画は絹や紙が基本だし彫刻は木で作るしなせいで劣化やたら酷いんで……触るどころか、保存の時に息吹きかけるのも全力で避けなきゃいけないようなのが大半で。ブロンズ・石・銅版やキャンパス基盤の油絵やらが基本のヨーロッパ系美術とは大分勝手が違ったりします(というか日本でも西洋美術は比較的開放的に展示されますし)

でもこの問題さえクリアしてなおかつ現在のイメージ払拭出来たなら、もっと開放的にする事は可能だと思うんですよねー。ガラス越しでも空間そのものを工夫するとか、複製をうまく活用するとか。
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  • 八村 ふみ
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