京大公認創作サークル「名称未定」の公式ブログです。
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2017-07

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残響の失地王

ここ数日で一気に寒くなり, 冬らしくなってきましたが, 皆様いかがお過ごしでしょうか. 朝は冷気が上着を貫通する程度に冷え込み, また夜も日に日に長くなり, 一限への出席がつらい季節となりました. 布団によって蝕まれていく単位, 寒風に混じって聞こえてくる留年の足音. どうも, しっちーです.

「しっちーって誰だろう」「しっちーとは何だったのか(哲学)」という読者もいるでしょうから, まず簡潔に自己紹介でも記しておきます.
◆名称未定の新入生(2015年度)
◆工学部地球工学科の三回生. 土木勢. うたろう氏とは同じ学科.
◆イラストを描く人. 漫画は描いたことはなく, 一枚絵を生産する.
◆NFイラスト本の表紙を描いていた人. あとNF名称未定企画で後ろに絵を貼っていた人. 胸焼けしそうなくらいガーリーで甘ったるいもの(キャラクターに限らず, 服や小物なども含む)が非常に好き[註0]. 作品は大体そういう要素を含む.
◆絵以外の趣味はぷよぷよとかゲーム音楽とか. ちなみにぷよぷよサークルにも入っており, そっちで会長を務めたりNFで企画を出したりもしていた.

 *

 御託を並べるのはここまでとして, 他の記事に倣い, 徒然なるままに何かを垂れ流すことにしましょう. 何を語るか割と迷うところではありますが, 今回はとりあえず絵に関する話題, 「リバーブ効果」なるものについて語ることにします.

 リバーブは残響を意味します. おそらく皆さんのお使いのメディアプレイヤーにその機能がついていることでしょう. 音楽に残響がかかり, 室内(浴室といえばもっとわかりやすい)でその音が反響しているように聞こえるエフェクトのことです. これをかけることで, 何かその音楽が, より「良く」なったように思える. どう「良い」のかは私の貧弱な音楽語彙では表現しかねますが, ともかく何かクオリティが向上している感じがあるわけです.

 なぜそう感じるのか?何年も前, 私が幼い頃[註1]に聞いた話なので色々と不確かですが, どうもリバーブによって音に「ぼかし」をかけることで, 聞く者にとって音が理想的に解釈されるらしいのです. これはミロのヴィーナスみたいな現象です. ミロのヴィーナスは腕のない石像ですが, 腕がないことによってむしろ価値が上がっているとされています. つまり, 腕がないことによって, 見る者が理想通りの腕を想像できるがゆえに, クオリティが向上してしまったわけです. リバーブに関してもこれと同様のことが起こっているらしい.

 絵の話題は唐突に始まります. 絵を描く上では, 完成された線画よりもラフや構想段階の方が良かったというのはよくあること(というよりは, 人によっては常にそうなのかもしれない)です. なぜこんなことが起こるかというと, 何本もの線を乱雑に重ねて描いたラフ絵を見るとき, 人はその何本かある線のうち最も理想的な線を選び出して見てしまうため, 理想的な線で構成された完璧な絵が見えてしまう──というのは, 絵を描く人ならば一度は聞いたことがある話でしょう[註2]. この現象を, 私は自分の頭の中では「リバーブ効果」と呼んでいます. ただの個人的な造語です. 前述のリバーブと原理が同じだからこう呼ぶわけです.

 なぜ落描きが楽しく感じられるのか. それはリバーブ効果の賜物と言ってよいでしょう. 丁寧に清書したりも色塗りしたりもしない落描きは, リバーブ効果を受けて手間不相応に美しく映えます. 落描きの向こうに理想の線画が, ある種の幻覚として見えるわけです. その費用対効果たるや絶大なもので, 「落描きとラフを描くのは好きだがペン入れや塗りは好きではない」と言う絵師が多いのも頷けます. なお, 似たようなことが落描き/ラフのみならず構想段階でもあって, 「こんな絵/漫画が描きたいなあ」と構想している段階では素晴らしいものができそうで楽しくても, いざ手を動かしてみると思い通りにいかないというのは, よくあることだと聞きます. 一部が未確定な, 残響のようにぼんやりとした存在は, その先に理想を映すわけですね.

 ところで, ここまで書いておいて何ですが, 私は落描きが嫌いです. 最大の理由は作画崩壊で, デッサン力が極めて低い[註3]私が落描きをしたところで, あたり線が入り混じっていて作画崩壊した, 気持ち悪くて汚いものしかできないからなのですが, まあそこは置いておくことにしましょう. ここで語るべき理由はそっちではありません. 私は「絵を描くのが好き」というよりは, 「絵を磨き上げるのが好き」な人間です. 線一つ, 色一つに対して, これは見た者にとってどう映るだろうかとか, ここはこう修正した方が面白いんじゃないかとか, そういうことを延々と考えながら絵を丁寧に磨き上げていくことを好みます. 落描きというのは私にとっては, スルメをほとんど噛まずに飲み込むみたいな行為であって, これをやっていても中々テンションが上がらないのです.

 こんなことを言う人間は中々見かけないもので, これはもしや, どこかのラノベの主人公が持っている特殊能力のように, 私が特殊な画力を持っているのではないかという期待が湧いてきます. しかし, 現実はそんなに甘くはないようです. 確かにそういう人間は少数派ではあるけれど, 普通にどこにでもいるらしい. ある絵師がtwitterで呟いていたことですが, どうやら絵師には二つのタイプがあるらしいのです. すなわち, 絵のクオリティを高め, 磨き上げていくことに快感をもつイラストレーター系の絵描きと, 自分の考えたストーリーやネタを表現することに快感をもつ漫画家系の絵描きががいるのだと. もちろんこの中間というのもありますし, 前者α:後者βの混合みたいなのもあります. 私はイラストレーター系8:漫画家系2くらいの成分であるような気がしますが, 皆さんはどうでしょうか. 自分がどちらのタイプなのかを考えてみると面白いかもしれません.

 さて, 絵を描かない人にとってもわかりやすく, みたいなことを意識して書いていたら, 説明がくどくて長い[註4]割には内容が薄くて何が言いたいのかわからない, クソみたいな文章ができてしまいましたが, まあいいでしょう. ここまで読んでくれた方に感謝しつつ, これにて筆を置くことにします.



[0] 無論私がその可愛い服や小物を装備しても薄気味悪い生物にしかならないため, 現実にそういうものを収集しているわけではない. せいぜい店先に置いてあるものを「あぁ^~」とか思いながら眺めるだけである.
[1] 必ずしも幼少を意味しない. 精神的に今より幼かったあの頃.
[2] 清書の際には一本の線を選び出さねばならない. そこで理想的な線を選べなかったとき, 線画のクオリティはラフに劣ってしまう.
[3] 私の最大にして最悪の弱点である. 早く何とかしたいが, そもそも早く何とかできていたら苦労などしない.
[4] 感想文等を要求された時に限ってはこういう長ったらしいのを書きたいものである. ちなみにこの文章で原稿用紙7枚程度が埋まる.

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