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エイサクの話

 10月です。後期です。当初の予定の五分の一も達成できないまま堕落した夏休みを過ごしてしまった、9月下旬担当の谷川慶です。

 更新が少し遅れたのには理由がありまして。ブログに出そうと書き上げた例の城崎のレポートを、諸事情により一旦封印することになってしまいまして、ブログにあげるものがなくなってしまったのです。そういうわけで、今回は突貫で仕上げた適当な日記でもあげることにします。


 夏休み前、吉田南の図書館でぶらぶらと本棚を見回っていると、一冊の本を発見しました。岩波文庫『二十四の瞳』でした。昭和初期から戦後の時代を舞台に、瀬戸内の一寒村に赴任した若い女性教師と十二人の生徒のふれあいの物語。名作といわれている作品らしい。その本が特段目立っていたわけではなかったのですが、「ああ聞いたことあるけど読んだことはないな」くらいの軽い気持ちで手に取りました。パラパラとめくっていると、一枚の紙が挟まっていることに気づきました。その紙には鉛筆でこんなことが走り書きしてありました。

「岩波文庫 G 212-1  ツボイエイサク」

 誰かの個人的なメモか職員さんの蔵書管理のメモが挟まれたままのかな、と思いました。そしてすぐ違和感を覚えます。あれ、二十四の瞳の作者ってそんな名前だったっけ。

 二十四の瞳の作者の名前は「壺井 栄(ツボイ サカエ)」でした。表紙と背表紙を見ると、はっきり書いてあったのです。
 「壺井 栄作」と。

 他の本を見てもすべて名前の最後が「作」になっています。どうやら岩波文庫は、人名の後にすぐ「作」や「訳」を書く流派のようでした。壺井と栄の間はスペースが空いているのに、栄の直後に作があったのでは、これは一連の下の名前だと勘違いしても仕方ありません。特に運が悪いことに、壺井栄は「栄作」というそれらしい名前になってしまうために、間違えてエイサクと読んでしまったのでしょう。壺井栄は女性なのに、一文字付くだけで「栄作」という明らかに普通の男性の名前になってしまうのも上手い偶然です。「芥川 龍之介作」なら絶対に「リュウノスケサク」などとは間違えなかったはずなのに。

 何かの縁だろう、とそのまま借りて帰って、二か月。結局読まずじまいのまま夏休みが明け、今日図書館に返却しました。もちろん紙は挟んだままで。もしかしたら、探しに行けばまだ紙が挟まってるかもしれません。

 はい、特に面白いオチはないです。この類の勘違い、ミステリーか何かの小ネタに使えるんじゃないかと思ったり思わなかったりしましたが、僕では上手く料理できそうにないので日記的な感じで雑然と書き残しました。

 封印した城崎レポートは、またしばらくしたら出すかもです。写真付きで結構頑張って書いたのでいつかはあげたいなあって思ってます。それではー。

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