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フィクションを描くことについて

どうも、7月下旬担当のいとらです。
今は8月? それも下旬の?
まあまあ、夏休みってなぜか時間が圧縮されるんで、実質3日遅れくらいじゃないですか?

とまあ冗談はさておき、最近小説を書きながら、あるいはそれ以外の時間、とみに考えることがありまして。何かというと、タイトルの通り、フィクションを描くってどういうことなのだろう、ってことです。
事の発端は今年の3月。私は新入生を騙したいというただ一心により、新歓冊子にあたかも私が卒業していなくなるかのようなこれまでの振り返りを載せました。その性格の悪さは置いておくとして、とにかく、その際に私は、在り得たかもしれない可能性の一つという"てい"でそれを書いたのですが、これがどうにも引っかかる。そもそも私は他の可能な世界なんて見たことないのに、今書いてる物語だってどこかに矛盾を内包していてそもそも存在可能性がないかもしれないというのに、なぜ当たり前のようにフィクションの世界を想像し、書くことができているのだろう、と。
可能世界意味論、という考え方があります。これは、ある言明の意味は、その言明が真となるような可能世界の集合によって規定されるというものです(と少なくとも私はこう定義しています)。この概念を数学的に書き換えれば、論理式の意味は、その論理式を満たすモデルによって定義されるということになり、であれば一階述語論理の完全性定理によってその正当性が保証されるだろうということで、私はある程度この考え方に納得していたわけです。
この考えに基づけば、フィクションの物語が表すものというのは、その物語で語られていることが真となるような可能世界の集合であると言えます。そう言い切ってしまうのも味気ないような気もしますが、可能世界の集合が我々の想像できないくらいに豊かであるのだと言われれば、納得もできましょう。
しかし、そもそも書かれているもの自体に矛盾が内包されてしまっていたら、話は別です。この場合、その物語を満たす世界など存在できませんから、その物語の意味は空ということになってしまいます。世の物語は大半が矛盾だらけ(私見)ですから、では本当に意味を持つ物語など、ほとんどないのではないか。だけど、我々は矛盾しているとわかっていても、そこから何か(感動とか教訓とか)を得ることはできるているわけで、こうなるといよいよフィクションを描くということの意味合いがわからなくなってきます。
この思索を突き詰めていくと、これはフィクションだけの問題ではありません。私たちが日常発している言葉であったり、あるいは厳密性が求められるような学問で交わされる言葉であっても同じことでしょう。もちろん現実世界を忠実に切り取れているのであればそこに矛盾は内包され得ないわけですが、そんなことは現実的に不可能なわけで、何を言うにしたってそれがナンセンスと化してしまう可能性を私は受け入れるしかないのか、というか受け入れる受け入れないの問題なのか、とそういうことまで考え始めてしまいます。
この話に結論はありません。何と言っても現在進行形で考えていることですから。
とはいえ少し思うのは、言葉には意味を超越した何らかの力(スピリチュアルな意味ではなく、単に人間の脳活動に影響を及ぼすという程度の意味です)があるのではということです。情報伝達を超えた何か。もしそういうものがあるのだとしたら、そこにこそ私が小説を書く意味も生まれてくるのでは、と。
たとえば、冒頭に書いた、「3日遅れくらいじゃないですか?」というのだって、1か月が3日であることはby definitionであり得ないわけですが、だからといってその言明から感じるものはあると思います(あってほしい……ユーモアとか)。そういうものを煮詰めていった先に、私の書きたい文章があるのではと、最近は考えています。
なんて、それこそフィクションみたいな言明ですが。

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